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東京ベランダ通信

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2009年 08月 10日

おとなの夏休み⑧

スーパー・マッハ号で行く多摩川⑦

日の出山荘から秋川街道に出て、青梅を目指した。
山道を20分ほど下ると、ほどなく調布橋が見えてくる。
下を流れるのは多摩川だ。
青梅はその昔、織物が盛んで、染め上げた布を多摩川の水に晒して色あいを調えていた。
それで調布橋の名が付いたんだそうな。
東京には調布という市もあるが、そういえばここも多摩川に面している。

調布橋を渡ると青梅だ。
青梅は谷あいの街である。多摩川に寄り添うように町が続いている。
昔は江戸から甲府へ入る裏街道の宿場町として栄えたが、
いまは映画看板の町として知られている。
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赤塚不二夫会館がある旧青梅街道は「シネマチックロード」と呼ばれ、昭和時代の映画看板師である久保板観氏が描くレトロ看板が並んでいる。
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懐かしい映画看板を見ながら通りを少し歩いた。
よく見るとなかには映画看板をモチーフにした宣伝看板もある。
たとえば傘屋には「雨に唱えば」のワンシーンが使用されていたり、
Gパン屋は「駅馬車」の看板だったり、
レコード店は「俺たちに明日はない」だったり、シニカルで結構、笑える。
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奥多摩湖周辺のマップが欲しかったので青梅駅に寄った。
青梅駅は“レトロステーション青梅”というらしく、改札や待合室には昭和の匂いがプンプンした。それに発車ベルは“ひみつのアッコちゃん”だ。
今度は青梅線に乗って“ぶらり途中下車の旅”がしてみたい。

さて、青梅から奥多摩湖までの20kmはトンネルの多いロング&ワインディングロードが続く。スーパー・マッハ号は悲鳴に近いエンジン音を響かせて山道を登る。
フルスロットルだ。トンネルの中がひんやりして気持ちいい。
しずくが落ちてきて時々顔や背中にピシャリとかかる。
これは気持ちわりぃ…。おばけ屋敷か…!?
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御岳を過ぎ、川井を過ぎ、古里を過ぎると渓谷はいよいよ深く、美しくなる。
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鳩ノ巣渓谷の美しいこと…。東京も捨てたもんじゃない。
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鳩ノ巣の上流には白丸ダムがあった。
高さ30.3mの重力式コンクリートダムで、東京都交通局の発電用ダムだ。
同局の水力発電所・多摩川第三発電所および白丸発電所に送水し、最大1万7,500kWの電力を首都圏に送電している。
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このダムには大規模な魚道もある。
多摩川は、平成4年(1992)に国土交通省が推進する「魚がのぼりやすい川づくり」のモデル河川に指定され、堰の魚道整備が進められている。

この魚道も2001年(平成13年)に新設されたもの。魚道落差27m、魚道延長332m(トンネル区間125m)、魚道幅2m。この魚道が完成したことによって多摩川に生息する魚の往来が可能になった。
魚道には見学コースもあり、ダムの上から地下トンネルに降りることができる。
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底が見えないほど長く続く見学用のらせん階段で地下トンネルの魚道に降りてみる。
ひとりで降りると途中で心細くなるが、その先にはビックリするような地下世界が広がっていた。
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戻りは谷ののり面に出て、ダム湖を見ながら急な斜面を上ってくる。
途中で息が切れ、膝が笑った。
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               (つづく)

by novou | 2009-08-10 10:59 | 番外編 | Trackback | Comments(0)
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