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東京ベランダ通信

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2009年 10月 21日

オリオン座流星群 の夜

午前3時、眠れないのでベランダに出て、空を眺めた。
今夜はオリオン座流星群がピークを迎えるといわれている日だ。
3000年前のハレー彗星の塵が地球に降ってくる夜なのだ。
なんてロマンチックな日なんだろう。

でもね、ニュースでは「1時間に50個以上観測できます」っていってたけど、
30分以上空を見上げて、たった1個しか見えなかったよ。
それも南の空に流れたから、たぶん、ふつーの流れ星だと思うけど…。

あのさ、ユーミンに「ジャコビニ彗星の日」って曲があるのを知ってる?

夜のFMからニュースを流しながら
部屋の灯り消して窓辺に椅子を運ぶ
小さなオペラグラスじっとのぞいたけど
月をすべる雲と柿の木ゆれてただけ

72年10月9日            
あなたの電話が少ないことに慣れてく
私はひとりぼんやり待った
遠くよこぎる流星群


この曲は1972年のジャコビニ流星群をモチーフにしてるんだけど、
歌詞にもあるように、この年の10月9日は世紀の天体ショーが見られるってんで、
世間は大騒ぎだったんだよ。
とくに緯度が高い最北端の稚内は、日本でもっとも観測条件がいい地点といわれて、
日本中から観測チームが集結したんだ。

高校生だったボクも、部活が終わったあとに仲間とバスに乗って、
稚内でいちばん空に近い場所に出かけたんだ。
北門神社の長い階段を上り、境内を抜けて、
さらにダラダラの坂道を歩いて、たどり着いたのは「稚内公園」。
晴れた日には樺太や利尻富士が見える、地元ではいちばん見晴らしのいい場所が、この公園なんだ。

草むらに寝転がって、ワクワクしながらずっと夜空を見上げたよ。
だって、この時は1時間に数千個の流れ星が、雨のように降ってくるっていわれてたんだもの。
だけど、30分見上げても、1時間見上げても、ときどき鳥が空を横切るだけ。
流れ星なんかひとつも見えやしなかった。

なんで、星が降らなかったのかは、いまだに謎…。
この時からかな、マスコミが大騒ぎする天文現象はポシャる、っていわれるようになったのは…。(7月の皆既日食も騒いだ割りには天候に恵まれなかったもんね)

でも、ジャコビニ・フィーバーのおかげで、たくさんの新しい天文ファンが誕生したわけだし、
天体望遠鏡もバカ売れしたそうだ。それにユーミンの素敵な曲も生まれたしね…。

ボクはボクで当時片思いだった女の子の隣りで、ずっと空を見られて幸せだった。
いやいや、ボクは空なんか見ていなかったよ。ずっと彼女の横顔を見てたんだもの(笑)。

まもなく夜明けだ。もう一度ベランダに出て、空を眺めるとするか…。
降れ降れ、流星群!

by novou | 2009-10-21 05:40 | 番外編 | Trackback | Comments(0)
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