2010/01/24(日)
晴れ/11℃
仕事場の本棚の空きスペースに、いつも植物を飾っている。
ほとんどがベランダからチョキンと切ってきたヘデラやシュガーバインといった葉ものである。それを伊東正明さんの小さな花器に放り入れる。
伊東さんの花器のいいところは、なにげない植物でも様になるところにある。
というか、なにげない植物を生けた方が味わい深いのだ。
花器が好きで、同じようなサイズのものをいくつか持っているけど、
一番使っているのが伊東さんのものである。
なんでかなぁって思う。
そりゃあ“好きだから”なんだけど、なんで好きなんだろうと考えてみたりする。
好きな理由は、たぶん“普通だから”なんだと思う。
陶芸家には自己主張の強い個性的な作品を創る人もいるけど、
伊東さんの作品にはこれみよがしなところがひとつもない。
あえて“普通”なのである。
それより、使いやすいことや、安全であることや、壊れないこと、
といった見えない部分に力を注ぐ。
ここんところが逆に伊東さんの自己主張、なのかもしれないなぁ。
普通であっても凡庸でないのはそのためだ。
午後のおだやかな日がきょうも窓から差し込んでいる。
伊東さんの人柄そのもののぬくもりのある花器は、我が家に小さな幸せを運んでくる…。