梅雨どきは植物の生長期。
植物たちはごくごくと音を立てて雨を飲み込み、
蔓をのばし、葉を繁らせる。
バラやクレマチスはひと雨でシュートを10㎝ものばして、ボクを驚かせる。
イチジクもブルーベリーもリンゴもモモも、ぐんぐん大きくなっていく。
出張で家をあけていたオクさんは、「たった4日で庭がジャングルになってる」と
植物の生長の早さに目を丸くする。
雨の中の庭仕事も楽しみのひとつ。
水滴をまとった植物たちは鮮やかさを増し、ひと際色っぽく誘惑してくる。
ボクは雨を吸ってずしりと重みを増した花を摘み、
実が割れないうちにトマトを収穫する。
トケイソウの花が開く瞬間を見たんだ。
花を包んでいた萼の先端が弾け、水滴がパッと飛び散って、シベがにゅうってあらわれた。
夕方には命を終える花だけど、生まれた瞬間は精気にあふれている。
なんてエロチックなんだ。
7月は蓮の季節でもある。
蓮は花が開く瞬間にポンと音がするらしいが、
それを確かめに出かけたい。