2008/11/12(水)
曇り/13℃
納戸から石油ストーブを
出してきた。
寒い日が続いたので、
今年はいつもの年より
半月ほど早いお出ましである。
我が家のストーブはアラジンの
「ブルーフレーム」という
イギリス生まれのストーブだ。
このストーブ、
円筒型のシンプルなデザインで、
小窓からランプのような
美しい青い炎が見える。
70年前の発売以来、
モデルチェンジのない
完成されたフォルムと性能は、
いかにも頑固で完璧を好む
イギリス人のプロダクトらしくて
好感が持てる。
話はちょっと横道に逸れるが、
都心のマンション暮らしで石油ストーブを使うのはけっこう大変だ。
近所に石油を配達してくれる燃料店やスタンドがないので、ポリタンクをクルマに積んでわざわざ買いに行かなきゃならないし、3日に一度は給油しなくちゃならない。
20リットルの重たいポリタンクをふたつも持って、地下の駐車場から7階の我が家まで運ぶのも
正直しんどい。
でも、このストーブに火をつけるとそんな手間やしんどさを軽く上回る気持ちよさが待っている。
まず暖かさの質が違う。
エアコンや反射式のストーブと違って、
ブルーフレームは対流式なので、
暖められた空気が部屋をくまなく、
ふんわりと包み込む。
まるで、上質なカシミアのセーターのような、
軽くて柔らかい暖かさなのだ。
ストーブの上にはいつも耐熱ガラスのポットを置いている。だから空気が乾燥する冬でも、
部屋の中は適度な湿度が保たれていて
呼吸も楽だ。それに湿度があると
いやな静電気だって起こらない。
いつでもお湯が沸いているから、
お茶をよく飲む。
お茶をすると団らんが生まれる。
オクさんはソファに腰掛け、編み物をしている。
ボクはその横でブログを書いている。
リビングでブルーフレームの青い炎が静かに燃えている。
ボクは長い夜をこうして過ごすのが好きだ。
エアコンや電気ストーブやガスストーブは便利だけれども、
心までは暖めてくれない。
いま、ストーブの上でポットのお湯がポコリと音を立てた。