2008年 11月 23日

オプティマス123R

2008/11/23(日)
晴れのち曇り/16℃
勤労感謝の日/新嘗祭

f0160063_21514118.jpg物置を整理していたら、
古い携帯用ストーブが出てきた。
懐かしくなって
ベランダでお茶を沸かした。

山歩きやキャンプに
明け暮れていた30代、
この小さなストーブを
リュックに入れて、
ひとりで日本中を旅した。

紅葉が終わった
ちょうど今ごろの季節は、
山は登山客も少なく、
下山するまで誰にも会わないことも
しばしばだった。



f0160063_21523669.jpgボクは仏道修行に励む修験者のように
黙々と歩き、
山が持つ自然のエネルギーや
霊力を吸収した。

圧倒的な自由と孤独があった。

夜気に包まれると、
五感が研ぎ澄まされているせいか、
谷の底から地鳴りのような山の音が
聞こえる。

孤独と恐怖と寒さに
押しつぶされそうになると、
テントの中でこのストーブを出して
お茶を沸かした。



f0160063_21533594.jpgストーブは「オプティマス123R」という。
スウェーデン製でホワイトガソリンを
プレヒートで気化させて燃焼させる。

火をつけるとブボォボォボォボォーと
物凄い音を立てて燃え上がる。
このストーブに
どれだけ勇気づけられたことか。
炎と轟音が恐怖と孤独を消し去り、
熱いお茶が寒さを和らげた。

いまこのストーブを持って
山を旅することはない。

ピッケルもアイゼンも
ずいぶん前に売ってしまった。

真鍮製のストーブをピカピカに磨いて使うことが、山男の誇りだったが、机に飾られたそれに、昔の輝きはない。
[PR]

by novou | 2008-11-23 21:49 | ベランダの道具たち


<< 鰹節ごはん      有栖川宮記念公園 >>