東京ベランダ通信

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2018年 11月 02日

あらまほしき日常と人生の仕上げ

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「あらまほし」は吉田兼好の『徒然草』によく出てくる言葉だ。

いまの言葉でいうと「こうありたい」とか「望ましい」とか「憧れの」いう意味。

だから、「あらまほしき日常」とは「毎日がこうだったらいいな」とか「憧れていたのはこんな暮らし」ということかな。

人生も終盤にさしかかり、長いこと不自由な入院生活をしていると「あらまほしき日常」とは何だろうと考える。

ボクにとってのあらまほしき日常は、心おだやかに暮らせる家と、季節を感じられるささやかな庭のある暮らしだ。
もちろん、愛する人と愛するものにも囲まれていたい。

兼好法師は「朝夕、無くて叶はざらん物こそあらめ、その外は、何も持たでぞ、あらまほしき」と、持たない生活を勧めたり、
「人と生れたらんしるしには、いかにもして世を遁れむ事こそ、あらまほしけれ」と、俗世間から離れた隠遁生活を称賛している。

でも、ボクはかなりの俗人なので都会暮らしからは抜けられそうもない。
好きな寄席にも行きたいし、映画やコンサートもたくさん観たい。
あちこち散歩して、おいしいものを食べ歩くのも大好きなのだ。

思えば若い頃はモノが増え、暮らしが拡がっていくことを夢見ていた。
でも、いまは物欲はなく、ただただ縮小の時期だ。

齢(よわい)を重ねると生活の澱のようなものが溜まってくる。
その澱のようなものを捨てて、人生の仕上げをしたいのだ。
とにかく身軽になって、いまは生活にも心にもたくさんの余白を作りたい。

本を捨て、雑誌を捨て、靴や衣服を捨て、CDやビデオやDVDを捨て、10年育てた植物を捨て、家電や家具を捨て、キャンプ道具や登山道具を捨てた。

それらはボクの「過ぎた時」でもある。

「過ぎた時」を捨てると、いまの自分にいちばん大切なモノが見えてくる。
ありふれた生活の中に愛おしいものと、愛おしい時間だけがあぶり出されてくる。

きょうもまたボクは何かを捨てるだろう。

もう少しでボクは、「あらまほしき日常」に手が届きそうな気がしている。




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# by novou | 2018-11-02 10:47 | 暮らしを考える | Trackback | Comments(0)
2018年 10月 30日

10月のベランダ

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1ヵ月半入院していた。
春に続いて2度目の入院だった。
退院して20日が経つ。
まだまだ体は本調子ではないけど、いまは「存命の喜び、日々に楽しまざらんや」(徒然草)の心境だ。

ベランダは台風21号と24号の直撃で過去最大の被害を被った。
ブドウ棚は崩壊し、鉢植えの3分の1は倒れ、植物たちは強風と塩害で葉がチリチリになった。

病み上がりのへなちょこな体で300鉢ある庭の修復は無理である。
来年はマンションの大規模改修もある事だし、体力に見合ったサイズに縮小しようと思う。
ムクゲやクチナシ、ハナショウブなど今後の植栽計画から外れる50鉢に戦力外通告。
管理に手間のかかる山野草を中心に、年内にさらに50鉢ほど処分するつもりだ(泣)。

さて、10月のベランダである。
ジャガランダは早くも葉を落としはじめている。
銀葉アカシアはちょっと見ない間に枝を広げて、ずいぶんと大きくなった。
ハイビスカスはまだ花を咲かせて、夏の名残をとどめている。

今年はシュウメイギクがきれいに咲いた。

ベランダは今後、生命力が強く、水やりや施肥の手間がかからない熱帯性の植物を中心に植栽を考えようと思っている。


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10月覚書
ハハの部屋のベランダにミニバラやローズマリー、クリスマスローズなど15鉢ほど移動し、ミニガーデンを造った。
豪雨で睡蓮鉢やビオトープの金魚やメダカが流されたので、新たに金魚30匹、メダカ30匹を追加放流。
ウチワサボテンや柱サボテンが巨大化したので仕立て直し、新たにサボテンコーナーを作った。
焚き火台とベランダストーブにさび止めを塗ってメンテ。
ブドウ棚の修復(仮)。大規模改修後にちゃんとしたものを作る予定。
つるバラの配置替え。
コウモリランの配置替え。
カロライナジャスミンの植え替え。
ハーブガーデンを縮小し、コーヒーコーナーを設置。
ウスネオイデスがワサワサになったので壁面にチランジアコーナーを新設。


処分した植物
琉球朝顔
ムクゲ
ホトトギス×3
羽衣ジャスミン
イワナンテン
オダマキ×5
シジミバナ
クリスマスホーリー
フジバカマ×2
ギボウシ
ハトヤバラ
キングオブピカデリー
グラペティービューティー
オリヅルラン×3
トクサ×2
ニワフジ×2
コゴミ×2
ハギ
コガネセキショウ
カサブランカ
ゴシキドクダミ
ルリマツリ
ニゲラ
ムスカリ×2
チコリ
イタヤカエデ
メキシカンセージ×2
アロエ×3
テーブルヤシ
スイレンボク
多肉多数

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# by novou | 2018-10-30 12:41 | ベランダ歳時記 | Trackback | Comments(2)
2018年 08月 19日

8月のベランダ

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植物の配置を大幅に変えた。これまでのベランダは山野草がメインだったのだが、あまりの暑さに冷涼な地域を原産とする山野草がしおれたり、葉焼けしたりで状態が悪く、ベランダのメインを張れなくなったのだ。

元気がいいのはジャカランダやプルメリアやセローム、銀葉アカシアといった熱帯、亜熱帯の植物たちだ。

で、ベランダのセンターは山野草に退いてもらって、ジャカランダ、銀葉アカシアを中心とした南半球の植物に変えたのだ。

配置変更の前に植え替えもした。
8月は植え替えの時期ではないが、こちらにも都合というものがある。

で、ジャカランダ、プルメリア、ノリウツギ、ブルーベリー、アガパンサス、ハイビスカス、オリーブの植え替えを強行。どれも大物なので体力的にも今回が最後の植え替えとなりそうだ。

配置替えをしてから気付いたのだが、大きな鉢植えをセンターに持ってくると、風が強いとすぐに倒れてしまうという事だ。これまではフェンスに括り付けていたのだ。とくに植え替えたばかりの植物は根が張っていないので、ちょっとした風ですぐにぐらぐらしてしまう。

そこで強風対策として、大きな鉢同士をシュロ縄や支柱で2重3重に連結させた。
この連結は縛るのも解くのも大変なので、植物の配置替えもこれが最後となりそうだw。

今朝、庇に上っていつものようにベランダを俯瞰してみた。
銀葉アカシアが大きく枝を広げ、ジャカランダが3m以上に育っている。
ソテツやセロームの緑の濃さといったらどうだ。
幾重にも重なったプルメリアの葉っぱの存在感といったらどうだ。
鬱蒼としていて、ベランダはまるでジャングルではないの。

植物のほとんどは小さな苗から育てたものだ。

植物の生命力にあらためて感心させられた8月である。


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8月覚書

●ヨトウムシのでかいのを3匹捕殺。カベルネとクチナシがずいぶんと食い荒らされた。

●水苔+マルチング+ペットボトル給水器で2日間の外泊が可能となった。

●散水器のヘッドをミストにして高いところに吊るしておけば、ベランダが霧に包まれたようになって涼しくなる事を発見。東京オリンピックで8月の猛暑を打ち水で乗り切るなんてナンセンスと思っていたが、意外にイケるかもw。

●水道代が例年の3倍、電気代が2倍、まさに災害級の猛暑だ。とほほ…。

●イチジクの収穫はそろそろ終わり。今年は12個くらいの収量。この時期は一瞬だけど便秘も解消するw。


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# by novou | 2018-08-19 14:05 | ベランダ歳時記 | Trackback | Comments(0)
2018年 08月 10日

真夏の風流

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早朝の新幹線で北へ向かった。
東北の沼に咲く、見渡す限りの蓮を愛でるために…。

沼の広さは東京ドーム60個分もあるという。
その広い沼に船を出し、蓮の花咲く極楽浄土で遊ぶのだ。

この日、沼の気温は23℃。
下界の灼熱地獄を思うと、これだけでもすでに極楽だ。

水面を覆う蓮が放つ大量の酸素が、霧雨に冷やされて呼吸が楽だ。
HGB不足の肉体が、みるみる癒されていくのがわかる。
極楽浄土で人は苦しみから解放されるのだ。

船は細い水路を、蓮をかき分けるようにして進む。

ずる賢そうな顔をしたサギが蓮の葉の上で羽を休め、
無数のツバメが船のまわりを飛び交い、虫を食む。

蓮は午後には花を閉じる。
ボクらは僅かな時間を惜しむように3回船を出した。

花の命は短くて、咲き始めてから4日目の午前中にすべて散る。
咲くのは早朝。
いつか花が開く時のポンという音を聞いてみたい。


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# by novou | 2018-08-10 07:49 | 番外編 | Trackback | Comments(0)
2018年 08月 03日

ハキリバチ

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アイスバーグの葉っぱが、まぁ〜るく噛み切られている。

ハキリバチだ。

毎年、アイスバーグの若くて柔らかい葉っぱだけが噛み切られる。

近くに巣があるようだ。

ハキリバチは切り取った葉を持ち帰り、幼虫をくるむベッドを作る。

薬剤を撒こうと思ったけど、あまりにも美しく噛み切るので、このままにしておこう。


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# by novou | 2018-08-03 08:50 | ベランダ歳時記 | Trackback | Comments(0)
2018年 08月 01日

東京ディズニーリゾート植物ガイド 重版出来!

拙著『東京ディズニーリゾート植物ガイド』が、こっそりと重版出来となりました。

出版界以外の方は「じゅうはんでき」って何??? と、頭に「?」が3つほど灯るようですが、正しくは「じゅうはんしゅったい」と読みます。(ギョーカイではわざと「じゅうはんでき」という人もいるよーですが…)

言葉の意味を説明しましょう。

「重版」は印刷を重ねる事。
つまり本が売り切れたり、売り切れそうになった時に、もう一度本を印刷することを「重版」といい、
「出来(しゅったい)」は物事が出来上がることをいいます。
早い話が好評につき増刷しましたということです。

ちなみに、最初に印刷されたものを「初版」といいます。

出版業界では本が売れないので、今は初版でだいたい3000〜5000部。よくても8000部ぐらいです。
ですから「重版出来!」は「初版」で印刷したものがなくなって、そこそこ売れている本なんです、という証拠なのですw。

編集者や作家にとって、この「重版出来!」は勲章ですから、みんなこれを目標に徹夜もいとわず頑張るんですね。
そういえば、『月刊!スピリッツ』に連載中の松田奈緒子さんの漫画「重版出来!」が、テレビドラマ化されたということもありましたね。

というわけで、ボクの『東京ディズニーリゾート植物ガイド』(講談社刊)、華々しい宣伝もなく重版出来!

絶版、裁断でなくてよかったw

ちなみに旧版は5刷まで、今回の改訂版の増刷でトータル6刷です。

応援していただいた皆さま、ありがとうございました。

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# by novou | 2018-08-01 14:50 | 番外編 | Trackback(1) | Comments(0)
2018年 08月 01日

モーレツ

8月である。

であるからして暑いのだが、ものには限度というものがある。

朝7時でベランダは30℃を超えていた。
東京の最高気温は35℃の予想。
きょうも猛烈な暑さだ。

思えば7月は「猛烈」という言葉がずいぶん使われた。
「猛烈な台風」「猛烈な雨」「猛烈な風」「猛烈にしける」「猛烈な暑さ」…。

実は気象庁が用いる気象用語の「猛烈」にはちゃんとした定義がある。

・ 「猛烈な台風」は最大風速54m/s(105ノット)以上
・ 「猛烈な雨」は1時間に80mm以上。息苦しくなるような圧迫感があって恐怖を感ずる。車の運転は危険。
・ 「猛烈な風」は平均風速30m/s以上。
・ 「猛烈なしけ」は波の高さが9mを超える。

というように、「猛烈…」は事象の最大級の形容であり、「これより上のレベルはありませんぜ!」という限度越えの振り切れちゃった表現なのだ。

ただし、「猛烈な暑さ」はちょっと違うらしい。
TVで気象予報士やお天気キャスターが連発しているので、すり込まれてしまったが、調べてみると「猛暑日(35度以上)」はあるが「猛烈な暑さ」の定義はないようなのだ。

なんにでも猛烈を付けて、不安を煽ればいいというものではない。

「もーれつ社員」や「もーれつア太郎」や小川ローザの「OH!モーレツ」もいまや死語。
「モーレツ」の時代はとっくに終わっているのだ。

これからは35℃を超えたら「やってらんない暑さ」とか「ふざけた暑さ」という表現でお願いしたい。




p.s.ベランダのバラたちはマルチングのおかげでとても元気になりました。

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# by novou | 2018-08-01 13:39 | 番外編 | Trackback | Comments(0)