2010/11/27(土)
晴れ時々曇り/14℃
朝5時、チチ発熱。39,2℃もある。
解熱剤を飲んでも熱が下がらないので、通院している病院の救急センターに連れて行く。
ひとりでは立てないし、
譫妄もひどい。
チチは4日前に退院してきたばかりなのだ。
きのうまでは少し手を貸してあげれば、車椅子なしに日常生活が送れたのに、
きょうは起き上がることもままならない。
2人がかりで身体を持ち上げ、なんとかクルマに乗せた。
病院まで移動する間、姿勢を保てないチチはオクさんに寄り掛かり、
「声問にいくのか」とうわ言のようにいっている。
声問(こえとい)はチチの生まれた稚内の集落だ。
朦朧とする意識の中で、ココロは故郷の海を彷徨っているのだ。
採血をして、レントゲンを撮り、腹部のエコーを撮って、尿道カテーテルが入れられた。
炎症反応が高く、感染症に罹患した可能性もあるので、即、入院することになった。
たった4日でまた病室に逆戻りだ。
チチは春から4回も入院している。
僅か半年余りの闘病生活で、15kgも痩せた。
アバラ骨が透け、尻の肉は削げて、ミイラのようになった。
歳のわりには逞しかった身体が、いまでは見る影もない。
目は窪み、頬はこけ、顔の皮は骨に貼り付いたようだ。
寝顔を見てると、もう死んでるんじゃないかと思うことがよくある。
ベッドから起こそうとカラダを抱くと、骨の硬さと形が直に腕に伝わってくる。
まるで、骨格標本を抱いてるみたいだ。
いま、チチは抗生剤と栄養剤の点滴を受けて、静かに眠っている。
入院する度に、チチは死線を彷徨い、それでもなんとか復活してきた。
6月に夫婦仲良くダイヤモンド婚式を迎え、10月にはめでたく86歳の誕生日も迎えた。
まだまだだぞ、オヤジ!
家族みんなで正月も迎え、春にはまた西郷山で桜を見ようじゃないか。
なっ、オヤジ…。