きのうマンションのエレベーターを降りると、
スズメが1羽、廊下をぴょんぴょん飛び跳ねている。
どうやら怪我をしていて、飛べないらしい。
でも、飛べないスズメが入ってくるハズはないので、
たぶん迷い込んでしまってから脱出することができず、パニックになって傷ついたようだ。
わがマンションは1階の大部分が駐車場の、いわゆる下駄履きに近いマンションで、
さらに中央部が駐車場から屋上まで吹き抜けになっている。
なので、春の繁殖期や餌が少ない今ごろの季節は駐車場や窓から、
よく野鳥が侵入してくるのだ。
侵入した鳥は出口を探して、明るい方へ明るい方へと上ってくるので、
どの階に侵入した鳥も、最後にはいちばん明るい最上階までやって来ることになる。
これまでもスズメが迷い込んだことは数知れず。
数年前にはカラスが3羽一度に侵入して大暴れ。
ボクは雨傘を広げて、彼らの攻撃を避けながら、
なんとか窓から追い出したこともある。
去年はつがいのキジバトが迷い込み、踊り場を仲良く歩いていた。
なんともバードサンクチュアリなマンションなのである。
話がちとそれた。
怪我をしたスズメは仕方がないので、わが家で傷が治るまで保護することにした。
両手で背中からそぉっと捕まえた時、
あたたかくて柔らかくて、手のひらに脈の打つのを感じた。
かわいかった。
何とか元気にして近所の屋敷林に返してあげたいと強く思った。
スズメの名前は「屋敷林すずめ」にした。
いまは段ボールハウスを作って、餌としてみかんとパンと水を置き、
ホットカーペットの上に置いてある。
さっき、段ボールハウスの小窓から覗いたら、
よほど疲れていたとみえて、隅っこに体を寄せて眠っている。
以前、迷い込んだスズメは逃がしてやることも、保護することもできず、
翌朝、階段の踊り場で息絶えていた。
屋敷林すずめには何とか元気になってもらって、
段ボールハウスからまた渋谷の空へと飛び立って欲しいと思う。
がんばれ! すずめ!!