きょうはベランダごはんだ。
わが家では備長炭を贔屓の炭屋さんに配達してもらっているのだが、最近は紀州備長炭も豊後備長炭も品薄で、
きょう、はじめてラオス備長炭なるものを使う事に…。
品薄のわけは需要が増えたことと、度重なる台風で原料となるウバメガシが大きな被害を被ったからだそうだ。
備長炭は硬く、火が熾るまでに30分ほどかかる。
まず、1人用の固形燃料(料理屋さんがお一人様用の鍋に使う丸い水色のアレね)に火をつけ、
その周りに備長炭を塔のように高く積み上げる。
積み上げたら団扇で煽いだりせずに、ただひたすら待つ。
効率を上げようとか、時間を節約しようなどと思ってはならない。
30分は絶対時間なのだ。
炭がかんかんに熾るまではなにもせず、どんと構えて知らんぷりの放置プレイがよろしい。
やがて炭の塔は真っ赤に燃えはじめるだろう。
そうしたら塔を崩し、再び放置。
全体に火が回ったところで焼きにかかる。
ソーセージがちゅんと鳴き(おまえはスズメか!)、エリンギが汗をかき、カブラが湯気を立ててふつふつと沸騰する。
ああ、うまそうな匂いだ。あつあつをふうふうしながらかぶりつく。
横でオクさんが初物のワカサギを揚げている。
てんぷらにするなら人さし指ほどの小さいのが旨い。
カスベは唐揚げだ。
道産子のソウルフード、オレはカスベで大きくなったのだ。
ノドグロも長芋も鶏もももランプも焼いた。
何度こうして火を囲み、メシを食っただろう。
火を囲めば囲むほど、人生は豊かになるような気がする。