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東京ベランダ通信

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2008年 11月 24日

鰹節ごはん

2008/11/24(月)
曇りのち雨/12℃

鰹節が好きだ。
我が家には昔から使っている鰹節削り器があって、
これでシャカシャカ削って、料理に使っている。

といっても料理屋ではないので、
鰹節をたくさん使ってお出汁を引く時は、
さすがに真空パックの「花がつお」を使う。

削り器が活躍するのは、
ほうれん草のお浸しや白菜のおかか和え、
湯豆腐や冷や奴、お好み焼きやおかかうどんといった、
比較的鰹節の量が少なくて済む料理だ。
手間だが、削りたてを使うと、料理がひと味もふた味も違ってくる。

鰹節ごはん_f0160063_16211618.jpg削りたての鰹節は匂いがいい。
嗅いだだけでよだれが止まらなくなる。
いい匂いがしてくると思わず台所を
ウロチョロしてしまう。
ひょいとかすめてつまみ食いをする。
「あんたは猫か!」とオクさんに叱られる。

鰹節を使った献立はいろいろあるが、
極め付けはなんといっても
鰹節ごはんかなぁ…。
日本人に生まれた幸せを
つくづく感じるもんなぁ。

我が家の鰹節ごはんは
小泉武夫先生の直伝である。
以前、雑誌の取材で
「明日死ぬとわかれば、最後に何を食べたいですか?」と聞いたところ、
「鰹節ごはん!」と先生は即答された。

後日、先生はわざわざボクの仕事場までやってきて、鰹節ごはんを作ってくれた。
先生はご近所に住んでおられたのだ。
一度食べたら病みつきになった。

作り方はこうだ。

まずネギを小口に切ってドンブリに入れておく。
次に鰹節をシャカシャカ削って、ネギの上にバサッと入れる。
入れたら醤油をひと回しして、ネギと鰹節に馴染むようにしっかり和える。
それを炊き立てのごはんにぶっかける。

あとはかっ込むだけだ。

削りたての鰹の濃厚なうま味に、炊き立ての新米の甘〜い芳香、それにネギの辛味が重なって、口の中はうまさの大洪水だ。

そして、丼の底に一粒のごはんも残さず食べ終えたら、熱い番茶をひと啜り。

まさに極楽の味だった。
たまんないねぇ、幸せだねぇ、いい人生だったねぇと、
そのまま天国に召されるのも悪くはないか、とつくづく思えるおいしさなのである。

今日は「い(1)い(1)ふ(2)し(4)」の語呂合せで、「鰹節の日」。

久しぶりに鰹節ごはんが食べたくなった。

by novou | 2008-11-24 16:55 | 日々の暮らし | Trackback | Comments(0)
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