2008/12/16(火)
晴れ/12℃
オクさんの実家から
京都の冬の味覚「すぐき」が届いた。
すぐきはカブの変種の「すぐき菜」の
葉と根を塩漬けにし、その後、
25℃から35℃の室(むろ)の中で
乳酸発酵させたちょっと癖のある
京の伝統食品だ。
京都人たちは葉の部分と一緒に、
すぐきを細かくみじん切りにし、
ぶぶ漬けにしてよく食べる。
はじめて食べた時のことを思い出す。
封を切って鼻を近づけると、
まず、その匂いにくらっときた。
たくわんのようにスライスして、
ひと切れ口に入れると、
独特の酸味でいっせいに唾液が湧いて出る。
「すぅっぱぁぁぁ〜っっ!」が
第一声だった。
子どもの頃から酸っぱいものは苦手である。
酢の物、らっきょ、サンラータン…
ぜんぶダメなのだから、
すぐきだってダメなのだ。
オクさんは酸っぱいものが大好きで、
すぐきは大、大、大好物だ。
「このおいしさがわからへんて、
不幸やわぁ」とか何とかいいながら、
一人でうまそうにボリボリ食べている。
ボクがすぐきを食べられるようになったのは
それから3〜4年たってからのことだ。
細かく刻んでチャーハンに入れたり、
ぶぶ漬けで食べさせたり、
オクさんは少しづつボクをすぐきに慣れさせていった。
そのおかげで今ではすぐきが食べられる。
っていうか、すぐきは大好きである。
毎年12月が待ち遠しいくらいだ。
あんなに苦手だったはずなのに「冬はすぐきに限るなぁ」などといいながらボリボリ食べている。
人の嗜好ほど当てにならないものはない。
すぐきの発酵臭は深呼吸したいほどだし、ヨーグルトのようなまろやかな酸味は体中の細胞を活性化させてくれる。
すぐきが食べられるようになって、ボクはちょっと大人になったような気がする。
すぐき万歳!
●今日のお昼ごはん
お漬け物いろいろとすぐきの葉っぱのおにぎり